「昨年のリスティング広告は200件のCVを獲得し、CPAは10万円でした」
マーケティング会議では、このようにCV数やCPAを報告することがあります。しかし、経営から「その200件はどの会社で、いくら売上を作ったのか」と聞かれたとき、すぐに答えられるでしょうか。
GA4では、SEO、リスティング、リマーケティングなど、獲得経路別のCV数を確認できます。会社DBでは、問い合わせた会社名を確認できます。販売データには、会社別の発注や売上が記録されています。
ところが、GA4のCVと会社DBの問い合わせが結びついていなければ、どの施策がどの会社を獲得し、その会社が後にいくら売上を作ったのか分かりません。CPAは計算できても、マーケティングの売上貢献を経営へ説明できない状態です。
限られたマーケティング予算を有効に使うためにも、CVを安く増やすことに加えて、現在の売上を作っている会社をどの経路で獲得したのか確認できると、経営と次の予算を話しやすくなります。
本記事では、これから獲得するリードについて、GA4のCVと会社DBの会社名を共通のCV IDで結びつけ、将来、獲得経路別の売上を確認できるようにする考え方を整理します。読み終えた後、実現したい状態を図と普段使っている言葉でエンジニアへ相談できることが目標です。
マーケティングの売上貢献をCPAだけでは説明できない
マーケティング部はCV数とCPAで成果を報告している
CPAは、広告費をCV数で割って計算します。
CPA=広告費÷CV数
例えば、2,000万円のリスティング広告費で200件のCVを獲得した場合、CPAは10万円です。広告運用の効率を見るうえで、CPAは分かりやすく、よく使われる指標です。
一方で、CPAから分かるのは、CV一件を獲得するためにかかった広告費までです。そのCVがどの会社で、その後に商談や発注へ進んだのかまでは分かりません。
経営が知りたいのは、どの施策が売上を生んだか
マーケティング部が「CPAを10万円から8万円へ改善しました」と報告しても、経営が投資判断のために知りたいのは、その改善が売上へどうつながったかです。
- どの施策が新しい会社との取引を生んだのか
- 獲得した会社は、その後に発注したのか
- 各施策から獲得した会社はいくら売上を作ったのか
- 次の予算をどの獲得経路へ重点配分するのか
これらを説明できなければ、マーケティング部はCVとCPA、経営は売上という別々の数字を見たままになります。
CPAの最適化が売上の最大化につながるとは限らない
CPAが低い施策と、売上を多く生む施策が同じとは限りません。
問い合わせを多く獲得しても、その多くが対象外の会社や既存顧客からの問い合わせなら、新規売上への貢献は限定的かもしれません。反対に、CV数が少なくCPAが高い施策でも、獲得した会社の発注額が大きければ、売上への貢献は大きくなります。
CPAを下げることは広告運用の改善になります。ただ、限られたマーケティング予算の使い方を考えるときは、売上を作った会社の獲得経路も一緒に見られるほうが判断しやすくなります。
広告効果をCPAと売上で比較する
以下は、考え方を説明するための架空の数値です。
現在は獲得経路別のCV数とCPAを確認している
表1:現在確認できるCV・CPA
| 獲得経路 | CV数 | CPA |
|---|---|---|
| リスティング | 200件 | 10万円 |
| リマーケティング | 100件 | 5万円 |
| SEO | 500件 | 算出不可・算出ロジックによる |
| その他 | 200件 | 算出対象外 |
| 合計 | 1,000件 | - |
リスティングの広告費は2,000万円、リマーケティングの広告費は500万円です。有料集客全体では、広告費2,500万円で300件のCVを獲得しているため、CPAは約83,333円になります。
この表だけを見れば、CPAが5万円のリマーケティングは、CPAが10万円のリスティングより効率的です。次年度はリマーケティングへ予算を重点配分しよう、という判断が考えられます。
しかし、表1からは、各経路で獲得した会社名と、その後の売上が分かりません。
本当に見たいのは獲得経路別の会社と売上
表2:確認したいCV・CPA・売上
| 獲得経路 | CV数 | CPA | 獲得した会社の売上 | CV1件あたり売上 |
|---|---|---|---|---|
| リスティング | 200件 | 10万円 | 3,000万円 | 15万円 |
| リマーケティング | 100件 | 5万円 | 1,500万円 | 15万円 |
| SEO | 500件 | 算出不可・算出ロジックによる | 1億円 | 20万円 |
| その他 | 200件 | 算出対象外 | 2,000万円 | 10万円 |
| 合計 | 1,000件 | - | 1億6,500万円 | 16万5,000円 |
CV1件あたり売上は、獲得した会社の売上をCV数で割った参考値です。
CV1件あたり売上=獲得した会社の売上÷CV数
売上まで確認すると、見え方が変わります。この例では、リマーケティングのCPAが最も低い一方、SEO経由で獲得した会社が1億円の売上を作り、CV1件あたり売上も20万円と最も高くなっています。
表1だけならリマーケティングへ注力する判断になり、表2まで見れば、売上合計とCV1件あたり売上の両方が最も大きいSEOへの継続・追加投資を優先して検討する判断になります。
もちろん、売上が大きいという理由だけで、すべての予算をSEOへ移すわけではありません。SEOに必要な制作費や人件費、売上が発生するまでの期間、今後も同じ成果を再現できるかなども見ておきたいところです。具体的な継続・増額・縮小の考え方は、マーケティング投資の判断基準で整理しています。それでも、獲得経路別の売上が分からなければ、比較の材料が一つ欠けたままです。
この記事で目指すのは、表2のような集計を将来行えるデータを、これから残し始めることです。こうした計測基盤をいつ整備するかは、短期施策と中長期投資のマーケティング予算配分でも重要な判断になります。
GA4だけではCVした会社名と売上が分からない
GA4には獲得経路別のCV数がある
GA4では、どの参照元、メディア、キャンペーンから流入し、何件のCVが発生したか確認できます。Googleの公式資料では、リンク先URLにutm_source、utm_medium、utm_campaignなどのUTMパラメータを付けることで、トラフィックを呼び込んだキャンペーンを識別できると説明されています。
しかし、GA4に会社名やメールアドレスなどを送ることはできません。Googleは、個人を特定できる情報をGoogle Analyticsへ送信することを禁止しています。
会社DBには問い合わせた会社名がある
問い合わせフォームから会社DBへ、次のような情報が登録されている会社は多いでしょう。
- 会社名
- 部署名
- 担当者名
- メールアドレス
- 電話番号
- 問い合わせ内容
- 問い合わせ日時
会社DBを見れば、昨日問い合わせた会社の一覧を確認できます。一方、問い合わせ時の流入情報を保存していなければ、その会社がSEO、リスティング、リマーケティングのどこから来たのか分かりません。
販売データには会社別の発注・売上がある
販売管理システムなどには、会社ごとの発注、商品、売上などが記録されています。会社DBと販売データを会社IDで結合できれば、各社の売上は確認できます。
それでも、GA4のCVと会社DBの問い合わせが結びついていなければ、獲得経路まで戻れません。
GA4:SEO、リスティングなどのCV数
×
会社DB:問い合わせた会社名
↓
販売データ:会社別の発注・売上
断絶しているのは、匿名のアクセスが、会社名の分かる問い合わせへ変わる場所です。
保存していない過去の獲得経路は正確に復元できない
GA4に昨年のCVが1,000件残っていても、会社DBのどの1,000件と対応するのかを示す情報がなければ、後から正確に結合することはできません。
反対に、会社DBに会社名が残っていても、問い合わせ時のURLパラメータや参照元が保存されていなければ、当時の獲得経路を復元できません。
営業担当者の記録、問い合わせメール、キャンペーン別の専用フォームなどから、一部を推定できる場合はあります。ただし、推定した結果を、当時から計測していた正確なデータと同じようには扱えません。
過去の実績を完全に復元しようとして作業を止めるより、これから発生する問い合わせについて、流入経路と会社情報を結びつけて残し始めるほうが現実的です。
断絶したデータを共通CV IDでつなぐ
現状の断絶と、実現したいデータの流れを一枚にすると、次のようになります。

問い合わせ時に共通のCV IDを発番する
必要なのは、CV一件ごとに、その問い合わせを識別する共通のCV IDを一つ発番することです。
例:cv_20260905_ab12cd34
CV IDをどこで、どのような形式で発番するかは、Webサイトや問い合わせシステムの構成によって異なります。企画・マーケティング担当者が技術方式まで決める必要はありません。
エンジニアへ伝える要件は、「問い合わせ一件に一つのCV IDを付け、同じIDをGA4と会社DBの両方へ残したい」です。
同じCV IDをGA4と会社DBへ保存する
GA4では、イベントに追加情報を付けるイベントパラメータを利用できます。Googleの公式資料でも、イベントパラメータによってユーザー行動の詳細情報を収集できることが説明されています。
例えば、問い合わせ完了時のCVイベントと一緒にCV IDを送り、会社DBにも同じCV IDが残る形です。後から詳細を確認したくなったとき、同じCV IDを持つレコードを結合できます。
ただし、一件ごとに異なるCV IDは、GA4の通常レポートで毎日一覧表示するための項目ではありません。Googleは、値の種類が非常に多い高基数のカスタムディメンションが、レポートへ悪影響を与える可能性を案内しています。GA4での具体的な保存・抽出方法は、データ量や利用環境を見ながらエンジニアと相談することになります。
通常はSEO、リスティングなどの大きな分類で集計し、個別の確認が必要になったときだけCV IDで詳細データを結合する形なら、日々の運用を複雑にしすぎずに済みます。
CV IDと会社IDを使い分ける
CV IDと会社IDは役割が異なります。
| ID | 識別するもの | 主な接続先 |
|---|---|---|
| CV ID | 一回の問い合わせ | GA4と問い合わせDB |
| 会社ID | 一つの会社 | 会社DBと販売データ |
同じ会社が複数回問い合わせることもあります。この場合、一つの会社IDに複数のCV IDがひも付きます。
会社ID:company_001
├─ CV ID:cv_001
├─ CV ID:cv_002
└─ CV ID:cv_003
CV IDでGA4の流入情報と問い合わせを結び、会社IDで問い合わせと発注・売上を結びます。
GA4
↓ CV ID
問い合わせDB
↓ 会社ID
会社DB
↓ 会社ID
販売データ
すべてのデータを一つのシステムへ集約しなくても、それぞれのレコードを結合できるIDがあれば、必要なときに獲得経路から売上まで確認できます。
CRMを導入するだけではマーケティングの売上貢献を可視化できない
CRMを導入すると、会社、担当者、営業対応、商談、受注などを管理しやすくなります。しかし、問い合わせがCRMへ登録される時点で獲得経路が渡されていなければ、その会社がどこから来たのかは分かりません。
GA4にSEO、リスティング別のCV数があり、CRMに会社名と商談情報があっても、共通するCV IDがなければ同じCVだと判定できません。
GA4:獲得経路別のCV
× 共通CV IDがない
CRM:会社、担当者、商談、受注
CRMは、保存されていない過去の流入情報を自動的に復元してくれるものではありません。製品選定や導入を進める前に、まず次のデータをどのIDでつなぎたいのか整理しておくと、導入目的を伝えやすくなります。
獲得経路
→ CV
→ 会社名
→ 商談
→ 受注
→ 売上
すでにCRMを導入している場合は、次の項目を一度確認してみるとよいでしょう。
- 流入情報がCRMへ渡されているか
- GA4と共通するCV IDがあるか
- 問い合わせを獲得した経路が保存されているか
- 会社IDで販売データと結合できるか
CRMを導入しただけで、マーケティングと売上が自動的につながるわけではありません。問い合わせ時の獲得経路と会社情報を結び、その情報をCRMや会社DBへ渡せるかどうかが重要になります。
問い合わせ時に流入情報を会社DBへ残す
流入時にURLパラメータや参照元を取得する
広告、メール、外部サイトなどからの流入では、UTMパラメータを利用して獲得経路を識別できます。
https://example.com/service/
?utm_source=google
&utm_medium=cpc
&utm_campaign=product_a
Googleの定義では、utm_sourceは参照元、utm_mediumはマーケティングメディア、utm_campaignはキャンペーンを識別するために使います。
Google広告ではGCLIDなどの広告クリックIDを利用できる場合もあります。SEOは広告用のUTMパラメータではなく、参照元やGA4のトラフィックソースなどを基に判定します。
問い合わせまで流入情報を保持する
訪問者が最初に閲覧したページから、複数のページを経由して問い合わせることがあります。その間にURLからパラメータが消えても、問い合わせ時に必要な情報を渡せるよう、流入情報を保持します。
Cookie、ブラウザ内の保存領域、サーバー側のセッションなど、実現方法はサイト構成や同意管理によって異なります。ここでも、マーケティング担当者が技術方式を指定する必要はありません。
エンジニアへは、例えば次のように目的を伝えられます。
最初に取得した流入情報を、問い合わせフォームの送信まで失わないようにしたい。問い合わせ時に、会社情報、CV ID、流入情報を会社DBへ保存したい。
なお、同意状況などによりGA4のデータが欠落する場合があります。取得と利用が適切な範囲で会社DB側にも流入情報が残る形にできると、GA4だけに頼らず確認できます。
会社DBへ保存する項目を整理する
最初から取得項目を増やしすぎると、実装と運用が複雑になります。まず、会社名と獲得経路を結び、後から売上へ接続するために必要な項目を整理します。
問い合わせと会社を識別する項目
| 項目 | 目的 |
|---|---|
| CV ID | GA4のCVと問い合わせを結ぶ |
| 会社ID | 会社DBと販売データを結ぶ |
| 会社名 | 問い合わせた会社を確認する |
| 部署名 | 必要な場合に会社内の対象を分ける |
| 担当者情報 | 問い合わせと担当者を確認する |
| 問い合わせ日時 | 対象期間のCVを抽出する |
| 新規・既存の区分 | 問い合わせ時点の顧客状態を確認する |
新規・既存の区分は、会社DBへ初めて登録されたか、過去の取引実績があるかなど、会社によって意味が異なります。自社で普段使っている定義をエンジニアへ共有できれば十分です。
流入経路を判定する項目
| 項目 | 目的 |
|---|---|
| 参照元 | どのサイトなどから来たか確認する |
| UTMパラメータ | 参照元、メディア、キャンペーンを識別する |
| 広告クリックID | 対応する広告クリックを識別する |
| ランディングページ | 最初に閲覧したページを確認する |
| キャンペーン名・ID | 対象施策を識別する |
リスティング・リマーケティング・SEOを分類する
会社DBには、UTMパラメータなどの加工前の情報と、社内で利用する分類結果の両方を残せると便利です。
| 加工前の情報の例 | 会社DBでの分類例 |
|---|---|
utm_source=google、utm_medium=cpc | リスティング |
| キャンペーン情報でリマーケティング対象と判定 | リマーケティング |
| 検索エンジンからの参照、広告情報なし | SEO |
| メール用のUTMパラメータ | メール |
| 判定材料がない | 直接流入または不明 |
分類結果だけでは、後から分類ルールを変えたり、キャンペーン単位で見直したりしにくくなります。反対に、加工前のデータだけでは、確認するたびにマーケティング担当者が分類しなければなりません。
加工前の情報:utm_source=google、utm_medium=cpc
分類結果:リスティング
両方を残すことで、通常は「SEO」「リスティング」などの分かりやすい分類を使い、必要なときは元の情報まで戻れます。
GA4と会社DBの分類や件数が完全に一致しない場合もあります。Cookieや同意の状態、判定するタイミングなどが異なるためです。最初から一件単位の完全一致を目指すより、まずはSEO、リスティング、リマーケティングなどの大きな区分で、会社名と売上を確認できる状態から始めるほうが取り組みやすいでしょう。
図を見せてエンジニアへ相談する
エンジニアへ相談する前に、技術用語をすべて覚える必要はありません。最初に、この記事の図を見せながら、確認したい結果を自分が分かる日本語で説明します。
現在はGA4でSEOやリスティング別のCV数、会社DBで問い合わせた会社名、販売データで会社別の売上を確認できます。しかし、GA4と会社DBが結びついていません。
今後の問い合わせには共通のCV IDを付け、同じIDをGA4と会社DBへ保存したいです。会社IDで販売データともつなぎ、どの経路から獲得した会社が、後にいくら売上を作ったか確認できるようにしたいです。
あわせて、この仕組みが必要な理由も共有しておくと、開発の目的を理解してもらいやすくなります。
CPAだけを見ればリマーケティングへ注力する判断になりますが、売上まで見るとSEOへ注力する判断になる可能性があります。限られた予算を売上の源泉に基づいて配分するために必要です。
分からない専門用語はその場で確認する
エンジニアから知らない用語が出てきたら、理解したふりをせず、その場で聞いてみてよいでしょう。
- 「その言葉は、今回の問い合わせでは何を指していますか」
- 「マーケティング担当者にも分かる言葉で説明してもらえますか」
- 「実際の問い合わせを例に、データがどこからどこへ移るか教えてください」
- 「それはGA4に保存されますか。会社DBに保存されますか」
エンジニアの説明を聞いた後は、自分の言葉で言い直します。
私の理解では、問い合わせ時に一つのCV IDを作り、同じIDをGA4と会社DBへ保存するということですね。会社DBには、問い合わせを獲得した経路も残るという理解で合っていますか。
話の最後に、次に誰が何をするのかを確認しておくと、打ち合わせだけで止まりにくくなります。
次は、エンジニア側で現在取得できている項目と情報が切れている場所を確認する。その後、マーケティング側が必要な分類を確認する、という進め方で合っていますか。
目的、現在の断絶、実現したい接続を図で示し、説明を自分の言葉で確認すれば、企画担当者が技術方式を決めなくても相談を始められます。
エンジニアへ取得・保存要件を渡す
相談時には、次の内容を一枚に整理します。
実現したいこと
- 昨日問い合わせた会社の獲得経路を確認したい
- その会社が新規顧客か既存顧客か確認したい
- 売上を作った会社をどの経路で獲得したか確認したい
- 獲得経路別の売上を次の予算判断に利用したい
確認・依頼すること
- 現在、どこまで流入情報を取得しているか
- 流入情報がどこで失われているか
- CV IDをどこで発番するか
- 同じCV IDをGA4と会社DBへ保存できるか
- 会社DBに保存する流入情報は何か
- 会社IDで販売データと結合できるか
- テスト用の問い合わせで何を確認するか
エンジニアへ渡す依頼文の例
今後発生する問い合わせについて、獲得経路と会社名を結びつけ、将来、会社別の売上まで確認できるようにしたいです。
問い合わせ一件ごとに共通のCV IDを発番し、同じIDをGA4のCVイベントと会社DBへ保存したいと考えています。会社DBには、CV ID、会社ID、問い合わせ日時、獲得経路、判定に使ったUTMパラメータや参照元などの元データも残せるでしょうか。
CV IDから会社IDを経由して、販売データの発注・売上と結合できる状態を目指しています。具体的な発番方法、保持方法、GA4への送信方法は、現在のシステムを見ながら相談できればと思います。
まず、現在取得できている項目と、どこで情報が切れているかを確認してもらえますか。そのうえで、最小限どこまで実装すればよいか一緒に整理したいです。
テスト用の問い合わせで接続を確認する
実装後は、テスト用のリンクから問い合わせを行い、次のような点を一緒に確認できると安心です。
- GA4と会社DBに同じCV IDが保存されたか
- 一つの問い合わせでCV IDが重複発番されていないか
- UTMパラメータなどの元データが保存されたか
- 想定した獲得経路に分類されたか
- 会社IDを使って販売データと結合できるか
- 取得できなかった項目を「不明」として確認できるか
実装したという報告だけで終わらず、マーケティング担当者自身が、確認したかった結果を取り出せるところまで確かめます。
データをつなぐと会社単位で獲得経路を確認できる
この仕組みを作ると、次の質問に答えられるようになります。
昨日問い合わせた〇〇会社は、リスティング経由の新規顧客だった。
先月発注額が大きかった〇〇会社は、もともとSEO経由で獲得した会社だった。
日常の確認では、GA4でSEO、リスティングなどの全体傾向を見ます。会社単位の詳細を確認したい場合は、CV IDでGA4と問い合わせDBを結合し、会社IDで販売データへつなぎます。
その結果を獲得経路別に集計すれば、表2のように、CV数、CPA、売上を並べて確認できるようになります。
この結果は、次のマーケティング予算を判断する材料になります。事業目標から予算、施策、投資判断までの全体像は、事業目標から作るデジタルマーケティング戦略で解説しています。
ただし、この記事では、獲得経路と会社情報を結びつけて残すところまでを扱います。既存データを手作業で集計する方法、問い合わせ後の営業対応・商談・受注の追跡、現在の売上から獲得経路を分析する具体的な方法、予算配分の決め方は別の記事で扱います。
まとめ|GA4のCVを会社名と売上へつなげる
CPAは広告運用に必要な指標ですが、CPAだけでは、どの施策がどの会社を獲得し、その会社がいくら売上を作ったのか分かりません。
表1だけを見れば、CPAが最も低いリマーケティングへ注力する判断になります。表2まで見れば、売上を最も多く作っているSEOへの投資を優先して検討する判断になります。
しかし、GA4のCV、会社DBの会社名、販売データの売上が分断されていると、表2を作ることができません。保存していない過去の獲得経路を正確に復元することも困難です。
そこで、これから発生する問い合わせについて、共通のCV IDを一つ発番し、同じIDをGA4と会社DBへ残す方法を検討します。CV IDで獲得経路と問い合わせを結び、会社IDで問い合わせと売上を結ぶ考え方です。
CRMを導入するだけでは、この接続は自動的に完成しません。導入前でも導入後でも、どの情報を、どのIDで、どこへ保存したいのかを整理しておくことが大切です。
技術方式をすべて理解する必要はありません。現在の断絶と実現したい状態を図で示し、自分が分かる日本語で目的を説明します。分からない用語は確認し、説明を自分の言葉で言い直し、次に誰が何をするかを合意します。
それが、マーケティングと経営が同じ売上の数字を見て、限られた予算の使い方を話すための出発点になります。
CVと会社名を結ぶことは、問い合わせ後の顧客を追うための出発点です。営業との接点、受注・失注、売上まで確認し、その結果を次のマーケティング改善へ戻す全体像は、デジタルマーケティングをCVで終わらせない|顧客接点と売上を追跡するで解説しています。
本記事の文章・表・図解・グラフは、Skill Business Architecture Labが独自に編集・作成しています。引用・紹介する場合は、引用箇所が分かる形で、記事名・サイト名・記事URLをご記載ください。


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