HubSpotインバウンドマーケティング認定とは?無料講座の内容・難易度・仕事での使い道

HubSpotインバウンドマーケティング認定資格の学習内容、無料での取得と更新、仕事での活用。 デジタルマーケティング経営

HubSpotを導入し、見込み客の情報も登録した。それでも、メール施策を始めた経験がなく、送る記事や資料もない。「誰に、何を、いつ届ければ、商談や購入につながるのか」が分からず、顧客情報を十分に使えていない――そんな担当者が学習先として検討できるのが、HubSpotインバウンドマーケティング認定です。

この認定では、顧客を知り、検討に必要な情報をコンテンツにし、相手の関心や行動に応じて届け、反応を確かめる考え方を学びます。見込み客を表す「リード」との関係を育て、検討を進めてもらう活動が、リードナーチャリングです。メールはそのための手段の一つになります。

無料の日本語教材があり、公式コースもHubSpot導入後に理解を深めたい担当者を対象に挙げ、コンテンツを通じたリード育成を学習内容に含めています。この記事では、資格の基本条件に加え、素材も経験もない担当者が何を学び、自社の施策をどこから見直せるのかを紹介します。制度・講座情報の確認日は2026年10月29日です。公式認定コース

何の認定か。似た名前のコースとどう違うのか

米国HubSpotが提供する、マーケティング手法の個人向け認定

認定を提供するのは、米国に本社を置くHubSpotです。顧客情報を管理するCRMや、マーケティング・営業などのソフトウェアを提供しており、HubSpotアカデミーで認定コースを公開しています。HubSpot会社案内

ここでいうインバウンドは、顧客が抱える課題に合う情報や体験を届け、関心や信頼を育てるマーケティングの考え方です。インバウンドマーケティング認定は、その考え方を顧客調査やコンテンツ、配信、測定へつなぐ知識を扱います。

本認定には初級・上級という級別制度はありません。単独の取得者数や日本国内の取得者数は、今回確認した公式資料では確認できませんでした。

「インバウンド」「インバウンドマーケティング」「Marketingソフトウェア」は別コース

認定コース 主に学ぶこと 選ぶ目的
インバウンド 顧客を惹きつけ、信頼関係を築き、満足してもらうという全体の考え方 営業・マーケティング・顧客対応を含む共通の考え方を知る
インバウンドマーケティング 顧客理解、コンテンツ、配信、顧客分類、測定、自動化 見込み客の検討を支える施策を組み立てる。本記事の対象
HubSpot Marketingソフトウェア Marketing Hubの機能やツールを使った運用 HubSpot製品の操作・活用を学ぶ

出典:インバウンド認定、インバウンドマーケティング認定、Marketingソフトウェア認定

「配信する内容や相手をどう考えるか」を学びたい人には本認定、「決めた施策をMarketing Hubでどう設定するか」を学びたい人にはソフトウェア認定が対応します。後者も無料で学べますが、正式な認定取得にはMarketing HubのProfessionalまたはEnterpriseの機能を使う実践演習が必要です。本認定にその製品契約は必要ありません。

費用・試験・日本語対応・更新を先に確認する

無料コースで学び、60問の試験に合格する

公式の日本語コースでは、9レッスン、24動画、7つのクイズ、所要時間5時間と案内されています。導入と次のステップの案内を含む構成で、中核となる学習テーマは7つです。最後に60問の試験に合格すると認定を取得できます。日本語コースの内容と取得方法

項目 確認できた内容
学習・受験費用 無料。HubSpotアカデミーのアカウントを作成して利用
前提条件 公開コース案内に実務年数や前提資格の指定なし
試験問題数 60問
試験時間・合格基準 現行の個別条件は公開資料だけでは確定できず。受験画面で確認
受験方法 オンライン。一度開始した試験は、同じセッションで完了する
再受験 前回の受験から12時間後に可能
認定の有効期間 2年間。期限前から再取得が可能

試験時間は、コース内の「Exam」を開いた画面で確認するよう現行FAQが案内しています。試験の途中でページを閉じたり離れたりすると、再度受けるまで12時間待つ必要があるため、まとまった時間を確保して開始します。試験に関する公式FAQ

日本語教材と、試験・手続きの言語を分ける

日本語の講座ページ、動画コース、学習ガイドが用意されています。海外の認定を英語の教材だけで学ぶ必要はありません。一方、今回の確認では個別の試験画面を開いておらず、試験の出題言語は未確認です。

対象 言語の確認範囲
公式教材・講座 日本語コースと日本語の学習ガイドあり
認定試験 現行の個別受験画面では未確認。受験前に表示言語を確認
登録・認定管理の案内 日本語の案内・ヘルプあり。問い合わせ先ごとの日本語対応は別途確認

講座の表示言語はアカウントの設定から変更できます。利用するコースの対応言語を選び、教材と試験の表示を確認してから進めます。コースの言語に関する公式案内

有効期間は2年。継続には再取得を予定する

認定別の公式一覧では、インバウンドマーケティング認定の有効期間は2年間です。期限を迎える前から再受講・試験を通じて再取得できます。資格維持のための年会費を払う制度ではなく、更新時の学習と受験の時間を見込む形です。認定の有効期間一覧

リードはあるのに、送るものがない。講座で何を学べるか

ここからは説明用の例として、法人向けの業務ソフトを販売する会社を考えます。HubSpotには配信に同意した見込み客が登録されていますが、担当者にはメール施策の経験がありません。営業が個別に説明する資料はあっても、継続して送る記事や資料は用意できていない状況です。

この担当者が困るのは、メールの文章だけではありません。見込み客が何を知りたいか、どんな情報を用意すればよいか、送った後の何を見ればよいかがつながっていないことです。講座の7つのテーマは、それぞれ次の問いに関係します。

講座の主なテーマ 自社の課題と照らし合わせる問い
インバウンドマーケティングの基礎 見込み客との関係づくりを、どのような施策で支えるか
自社の顧客を知る 誰が何に困り、どんな理由で購入・見送りを決めるのか
バイヤージャーニーに合わせたコンテンツ 今の検討段階で、相手が知る必要のある情報は何か
コンテンツ配信戦略 その情報を、どこで、何を目的に届けるか
行動に基づくマーケティングと顧客分類 関心や行動の違いに応じて、届ける内容をどう変えるか
アトリビューションと実験 どの接点が顧客転換に関わり、何を変えて確かめるか
自動化とAI 反復する働きかけに、自動化やAIをどこで使うか

公式カリキュラムを、担当者の問いに対応させたものです。公式カリキュラム

誰に何を知ってもらうか――顧客の検討を妨げる疑問を探す

「自社の顧客を知る」では、調査に基づいて顧客像を整理するバイヤーペルソナを学びます。公式教材は、年齢や役職だけでなく、顧客が望む結果、購入の理由、検討を妨げる事情まで調べる内容です。顧客理解の公式レッスン、公式学習ガイド・冊子7~8ページ

業務ソフトの例なら、「月末の集計を楽にしたいが、方法を調べ始めた人」と、「候補を比較しているが、データ移行が不安で決められない人」では、欲しい情報が異なります。担当者は、営業が受けた質問や顧客への聞き取りを使って、そうした違いを確かめます。

学習後に見直せるのは、自社の顧客像が「中小企業の担当者」といった属性だけで止まっていないか、という点です。相手が購入までに解消したい疑問が分かれば、最初のメールや資料で扱う題材を考えやすくなります。

必要情報をコンテンツにする――商品紹介以外の素材を考える

バイヤージャーニーは、課題を認識し、解決方法を検討し、購入を決めるまでの過程です。講座では、この過程に合わせた題材や形式、次の行動を促すCTAを扱います。CTAは、資料閲覧や相談などへの案内・ボタンを指します。コンテンツ制作の公式レッスン、公式学習ガイド・冊子9~12ページ

先ほどの会社なら、次のように整理できます。

見込み客が知りたいこと 用意する情報の例 読んだ後に案内する行動の例
集計に時間がかかる原因を知りたい 二重入力や手作業の発生箇所を整理する記事 自社の作業を振り返るチェックシートを見る
改善方法を比較したい 現在の運用改善とソフト導入の比較資料 自社に必要な機能を確認する
導入できるか確かめたい 移行の手順、準備するデータ、支援範囲の説明 自社の条件について相談する

素材がない担当者にとっては、営業が口頭で答えている質問や、導入時によく説明する内容も、コンテンツを作る手掛かりになります。題材を選ぶ理由を、相手の検討上の疑問から説明する練習として、この学習内容を使えます。

メールには、情報の要点と相手にとっての意味を伝え、必要に応じて詳しい記事や資料へ案内する役割を持たせられます。「毎週何か送らなければ」と題材を探すところから、「この疑問を解消する情報が足りない」と考えるところへ、企画の出発点を変える使い方です。

行動や関心に応じて届ける――同じ名簿でも、次に必要な情報は違う

配信戦略では、相手が情報に触れる場所と配信の目的を考えます。行動に基づくマーケティングでは、反応を捉え、特徴が近い人を分け、情報提供を変える考え方を学びます。配信戦略の公式レッスン、行動と顧客分類の公式レッスン

例の会社で、業務改善の記事を読んだ人には比較資料が次の候補になります。移行手順を繰り返し確認している人には、移行で困りやすい点や相談先の案内が候補になります。どの行動を手掛かりにし、次に何を知ってもらうかを組み合わせて考えます。

ここでは、「いつ」を一律の配信曜日だけで捉えず、どの情報に関心を示した後か、何を確かめたがっているかでも考えます。ページ閲覧だけで購入意思を決めつけず、次の情報を選ぶための手掛かりとして使うことが大切です。

公式ガイドの冊子17~18ページには、行動の測定・分析からコンタクトの分類、育成へ進む流れがあります。受講後は、自社の配信対象が「登録済みの全員」だけになっていないか、区分ごとに届ける情報を用意できているかを見直せます。公式学習ガイド・冊子17~18ページ

自動化とAIは、その働きかけを運用するテーマとして続きます。担当者が先に考えるのは、誰に何を届けるか、どの反応を確かめるかです。学ぶ内容を施策の流れとして整理すると、次のようになります。

顧客の購入理由と検討障害を知り、検討段階に合うコンテンツを作り、情報に触れる場所や行動に応じて届け、接点の寄与と実験で確かめて次の制作・配信へ戻す流れ。
図をタップ・クリックすると拡大できます。

効果を確かめる――クリックと、商談・購入へ進むことを分けて見る

メールがクリックされても、それだけでは見込み客が相談や購入へ進んだかは分かりません。例の会社なら、比較資料を読んだ後に相談が生まれたか、相談した人がどの情報に触れていたかまで知りたくなるでしょう。

講座のアトリビューションでは、購入までに関わった複数の接点をどう評価するかを学びます。A/Bテストでは、比較する要素と評価する指標を決め、変更を確かめる考え方を扱います。測定と実験の公式レッスン、公式学習ガイド・冊子19~22ページ

受講後に考えたいのは、「メールの反応を増やすための変更」と「相談に進むための情報を補う変更」のどちらを試すのか、ということです。例えば比較資料は読まれているのに相談が少ないなら、導入条件の説明が不足していないか、相談で何を確認できるかが伝わっているかを検討できます。目的を決めて測定する学習を、自社の改善案へつなぐ例です。

本認定で学ぶ顧客理解・情報提供・分類・測定を土台に、営業と引き渡し条件やその後の対応をすり合わせる使い方ができます。

難易度と勉強時間は、担当経験によって変わる

公式の5時間は、学習計画の出発点

コースの表示時間は5時間です。復習、ワークブックへの記入、受験までを含めた全員共通の所要時間ではありません。合格率や、前提知識別の標準学習時間は、今回確認した公式案内では確認できませんでした。

HubSpotは、主要7テーマを1日ずつ進める学習ガイドも公開しています。初めて学ぶ人は、動画を一気に視聴するより、各テーマの用語と自社業務の対応を整理しながら進める計画を立てられます。公式の7日間学習ガイド案内

学ぶ人の前提 時間をかけたいところ
メール施策が初めてで、配信用の素材もない 顧客の困りごとを調べ、検討段階に合う情報と次の行動を考えるところ
記事制作やメール配信を担当している 顧客調査、担当外の配信方法、検討段階に応じた内容の違い
施策全体の企画・運用経験がある 未使用の測定方法、自動化・AIの考え方、現在の運用との違い

これは学習内容から整理した取り組み方です。自分がすでに使っている考え方が多ければ、その部分は確認にとどめ、未経験のテーマに時間を配分できます。

国内の取得者は、システム構築からマーケティング業務への理解に使っている

NRIネットコムの宮田氏は、2024年1月の取得記事で、基幹システムやECサイトなどの構築・運用を経て、デジタルマーケティングのシステム・運用構築を担当した経緯を説明しています。マーケティングは初心者だったため、知識を得る第一歩としてHubSpotの認定を6種類取得したとしています。

このうちインバウンドマーケティング認定については、顧客の捉え直しからコンテンツの作成・配信、MAやAIの活用を学べると整理し、「インバウンド」認定より具体的な施策の手段に踏み込む内容と評価しています。ツールを動かす側の担当者が、その仕組みを何のために使うのか理解する学習例です。NRIネットコムの本人記事

本人は6種類の認定を通じて学んだ経験を紹介しています。HubSpotを動かす仕組みに関わっていても、顧客理解や施策の考え方を学ぶ必要を感じた、という点が参考になります。

担当者と上司は、受講後に何を見直せるか

最初の施策案を、顧客・内容・届け方・確認方法で説明する

メール施策が初めての担当者にとって、受講後の成果物として考えやすいのは、自社の見込み客の一群について「何を知ってもらうか」を整理した施策案です。

先ほどの会社なら、対象は集計業務の改善に関心を示した人、用意する情報は改善方法の比較資料、次に案内するのは導入条件の相談、確認するのは資料閲覧と相談への進み方、というつながりを説明します。これは教材の考え方を自社で使うための整理例です。

上司は、メールの本数や資格の合否に加え、顧客について何を確認したか、どの情報が足りないか、誰の協力が必要かを一緒に見ます。例えば移行手順の資料が必要なら、担当者だけに原稿作成を任せるのでなく、導入支援担当の知識を持ち寄る判断につながります。講座を受ける人と、素材づくりを支える人を分けて考えると、学習を実務へ戻しやすくなります。

既に制作・配信を経験している人には、施策の前後を点検する使い方があります。記事のテーマは豊富でも比較段階の資料が足りない、配信先は分けているが内容は同じ、といった自社の状況を学習内容と照合します。

学習と認定取得は、目的に応じて選ぶ

無料教材は、認定取得を目的にしなくても学べます。会社として一連の範囲を学んだことを確認したい場合や、本人が学習履歴を示したい場合には、試験まで進む意味があります。

広告媒体の仕様や運用を学びたいならGoogle広告認定資格、GA4の計測・レポート・探索を学びたいならGoogle Analytics認定資格が別の学習対象です。本認定は、保有するリードに何を届け、どのように検討を支えるかを組み立てたい人の学習として選べます。

まとめ:保有するリードに、何を届けるかから考えたい人へ

HubSpotインバウンドマーケティング認定は、顧客理解、コンテンツ、配信、行動に応じた分類、測定、自動化を学ぶ無料の認定です。HubSpotに情報は蓄積していても、メール施策の経験や素材がなく、何から始めるか分からない担当者にとって、考える順序を整理する学習になります。

受講する意味は、誰のどんな疑問に答える情報が必要で、それをどう届け、どの反応を確かめるかをつなげて考えることにあります。担当者と上司が同じ施策案を見ながら、足りない顧客理解やコンテンツ、社内の協力を確認できれば、学習を次の仕事へつなげられます。

参考資料


本記事の文章・表・図解・グラフは、Skill Business Architecture Labが独自に編集・作成しています。引用・紹介する場合は、引用箇所が分かる形で、記事名・サイト名・記事URLをご記載ください。

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