Google広告認定資格とは?種類・難易度・費用と、企業が学習・取得を支援する意味

Google広告認定資格の学習・取得と実務判断の違いを、種類・試験・育成から考える デジタルマーケティング経営

「Google広告認定資格を持っています」と聞くと、広告運用を安心して任せられる人だと思うかもしれません。一方、既に広告を運用している人には、「普段使っているサービスなのに、改めて試験を受ける意味があるのか」という疑問もあるでしょう。

Google広告認定資格は、Googleが個人に授与する、Google広告の知識に関する認定です。検索広告、ディスプレイ広告、動画広告などの分野に分かれ、公式の学習サービス「Skillshop(スキルショップ)」で学習・受験できます。利用は無料で、認定は原則1年間有効です。

企業で活用する際に分けて考えたいのは、公式教材を学ぶ価値、試験に合格して認定を得る価値、実際の広告運用で成果を出す力です。三つは関係していますが、同じものではありません。

この記事では、資格の種類や取得条件を整理したうえで、運用経験者の公開体験と入札判断の説明例から、誰のどの学習に使えるのかを考えます。

  1. Google広告認定資格とは?Googleの広告サービスを扱う個人の認定
    1. Googleという事業者が、製品の知識を分野別に認定する
    2. 保有者は、広告運用や発注・管理の仕事に知識を使う
  2. どんな種類がある?担当する仕事から学ぶ分野を選ぶ
    1. 「初級から上級へ」ではなく、広告や機能の分野で分かれる
    2. どの資格から取るかは、扱う広告と困っていることから決まる
  3. 試験の受け方・費用・言語・難易度・更新
    1. 学習と受験は無料。認定には理解度テストへの合格が必要
    2. 日本語で学習・受験できる。教材とサポートの範囲は分けて考える
    3. 難易度は、経験の長さだけでなく担当範囲の偏りにも左右される
  4. 既に運用している人が、学習・認定に時間を使う意味
    1. 知識を得るだけなら、認定を取らず教材を学ぶ選択もある
    2. 実務者の体験には「普段は調べて済ませている知識の曖昧さ」が表れている
    3. 個人の認定と、会社のGoogle Partnerバッジは違う
  5. 「入札を強めるとよい」と知っていても、どこまで変えるかは別の判断
    1. クリック単価の設定と、問い合わせを獲得する採算はつながっている
    2. 表示回数が増えない原因が違えば、同じ「増額」でも答えは変わる
  6. 企業は誰に取得を勧め、何を別に育てればよいか
    1. 新任担当者には、用語と仕組みを共通にする入口になる
    2. 経験者には、担当外の補完や更新確認が目的になる
    3. 採用・配置・外注先評価では、分野と有効期限に経験を重ねて見る
  7. まとめ:製品知識を学ぶことと、認定を使う目的を分けて考える
  8. 参考資料

Google広告認定資格とは?Googleの広告サービスを扱う個人の認定

Googleという事業者が、製品の知識を分野別に認定する

Google広告認定資格は、米国のGoogleが提供する製品認定です。日本の国家資格ではなく、広告運用を行うための免許でもありません。認定の対象は個人であり、所属会社の認定とは区別されます。

Google広告は、Google検索、YouTube、ウェブサイトやアプリなどに広告を配信するためのサービスです。認定の学習では、それぞれの広告をどう作り、どのような相手に届け、結果を測り、設定を改善するかを扱います。

例えば検索広告では、利用者が検索した言葉と広告を結びつける仕組みや、入札方法、広告文、成果の測定などを学びます。動画広告では、YouTube等での配信目的や広告形式、視聴者への届け方が関わります。同じGoogle広告でも、担当する商品や目的によって必要な知識が変わるため、分野ごとの認定になっています。

資格の名称に「Google」と付いていても、Googleの社員であることや、Googleが個別の広告施策の成果を保証していることを意味するものではありません。[1]

保有者は、広告運用や発注・管理の仕事に知識を使う

関係する仕事として分かりやすいのは、広告代理店の運用担当者や、自社で広告を運用するマーケティング担当者です。日常業務では、配信設定だけでなく、広告の目的を整理し、予算を配分し、広告文や画像の制作を依頼し、結果を説明します。

ただし、学習する人を運用担当者だけに限定する必要はありません。外部の代理店へ広告を発注する責任者にも、「どの目標で配信しているのか」「資料請求と受注をどう分けて見ているのか」を理解するための製品知識は役立ちます。担当者と同じ画面を操作することより、提案の前提を理解し、質問できることに意味があるためです。

国内の採用例では、NOBUの広告運用ディレクター募集が、Google広告認定資格を歓迎スキルの一つとして挙げています。同時に、広告運用経験、データを基にした改善経験、顧客とのコミュニケーション等も別に示されています。認定が採用判断の材料になる実例ですが、資格だけで仕事の能力を評価している求人ではありません。[2]

どんな種類がある?担当する仕事から学ぶ分野を選ぶ

「初級から上級へ」ではなく、広告や機能の分野で分かれる

Google広告認定資格は、初級・上級といった共通の級を順に上がる仕組みではありません。検索や動画などの広告分野、測定やクリエイティブなどの仕事に対応して学習・認定が用意されています。

以下は、日本語の公式案内・公開カタログで案内されている主な分野を、仕事との接点で整理したものです。コース名や提供範囲は更新されるため、「全世界で常にこの種類数」と固定せず、受験時にはスキルショップの現行一覧から選びます。[3][4]

学習・認定の分野 主に学ぶこと 仕事との接点
検索広告 検索キャンペーン、キーワード、広告、入札戦略 商品やサービスを探している人への広告を設計・運用する
ディスプレイ広告 ウェブやアプリ上の視覚的な広告、オーディエンス、入札 認知を広げる、関心のある人へ接点を作る
動画広告 YouTube等の広告形式、配信目的、視聴者、クリエイティブ 動画での認知・検討・行動を、目的に応じて設計する
AIを活用したショッピング広告 商品情報、販売促進、AIを活用した広告 ECの商品情報と広告配信をつなぐ
アプリ広告 アプリのインストールや利用促進、キャンペーンの評価 ダウンロード数だけでなく、アプリ内の利用を考える
測定 コンバージョン測定、測定ソリューション、結果の評価 何を成果として数えるか、広告をどう比較するかを考える
AIを活用したパフォーマンス広告 Google AIを用いる配信、目的やデータの扱い 自動化へ渡す目標や情報を整理する
クリエイティブ 広告素材を目的・形式に合わせる考え方 制作担当への依頼や、広告表現の評価に関わる
オフライン販売促進 実店舗を含む販売促進、オンラインと店舗の接続 ECの売上だけでは捉えられない来店・購買を考える

ここでの「学ぶこと」は公式の対象範囲を要約したものです。表の右列は、その知識がどの業務とつながるかを説明しており、認定取得後に必ず担当できる職務一覧ではありません。

どの資格から取るかは、扱う広告と困っていることから決まる

検索広告を引き継ぐ人なら、まず検索広告の学習が仕事と結びつきます。EC担当で商品データと広告のつながりが曖昧なら、ショッピング広告が候補です。広告の設定は分かるものの、何をコンバージョンとして評価するかに迷うなら、測定の学習が先になることもあります。

コンバージョンは、購入や問い合わせなど、広告主が成果として設定した行動です。同じ「コンバージョン数」でも、資料のダウンロードを数えるのか、契約につながる問い合わせを数えるのかで、数字の意味は変わります。媒体を追加する前に、測定の知識を補う方が現在の課題に合う場合もあるわけです。

全部を取得することが学習の目的ではありません。現在担当している分野と、次に担当する予定の分野、評価に必要な測定知識を照らし合わせると、学習に使う時間を決めやすくなります。

なお、Google Analytics認定資格は、ウェブサイトやアプリの利用データを扱うGoogle Analyticsの製品認定です。Google広告の「測定」と関連はありますが、同一の認定ではありません。ウェブ広告マネージャーのように複数媒体を横断する学習とも、Google製品を中心とする点で役割が異なります。

試験の受け方・費用・言語・難易度・更新

学習と受験は無料。認定には理解度テストへの合格が必要

基本的な流れは、スキルショップにGoogleアカウントでログインし、希望する認定を選び、必要な範囲を学習したうえで理解度テストを受ける、というものです。講座の閲覧や学習だけと、理解度テストへの合格による認定は区別されます。

項目 公式案内で分かる条件
実施方法 スキルショップ上でオンライン受験
費用 スキルショップの学習・受験は無料
合格基準・制限時間 Google広告の認定資格に関する共通案内は正答率80%以上、75分
再受験 不合格後は1日後から。受験回数の制限はない
中断 開始後のタイマーは一時停止できない。ブラウザを閉じるなどで中断した場合にも、再受験まで待機が必要
有効期間 各分野の認定は1年間
更新 維持したい分野の理解度テストに再合格する
受験の準備 Googleは、基礎知識に加えてGoogle広告を扱った実務経験を推奨

80%は「問題に正解すべき割合」であり、「受験者の80%が合格する」という合格率ではありません。現在の受験者全体の合格率は、確認した公式案内では公表されていません。

問題数や分野ごとの最新の試験画面の条件は、公開されている共通案内だけでは確認できませんでした。本記事では、古い体験記にある問題数や特定分野の合格基準を、そのまま現行条件として並べていません。受験するコースの試験開始前の案内が最終的な確認先になります。[1][5]

日本語で学習・受験できる。教材とサポートの範囲は分けて考える

Google広告認定資格の公式案内では、日本語を含む22言語への対応が示されています。日本語の公式学習案内やヘルプもあるため、海外の技術資格のように、英語の試験と教材を前提に準備する必要はありません。[1][3]

ただし、日本語の紹介ページがあることと、個別の新版コース・動画・追加資料がすべて同時に日本語で提供されることは別です。受講するコースの表示言語を確認して選ぶ形になります。外部の書籍や有料講座は、Google公式の無料教材とも別の商品です。

申込・アカウント設定や更新については日本語のヘルプを参照できます。経験年数を記載した職歴証明書を提出する方式ではありません。問い合わせ窓口の個別回答が常に日本語で行われるかまでは、公開案内から確認できていません。

難易度は、経験の長さだけでなく担当範囲の偏りにも左右される

無料でオンライン受験できるため、入口の負担は小さい資格です。ただし、無料であることと、内容を理解せず簡単に合格できることは同じではありません。

初心者は、広告を見せる相手、入札、予算、測定という仕組みをつなげて理解するところから学びます。一方、経験者でも、普段は検索広告しか扱わないなら、動画やアプリの知識をそのまま説明できるとは限りません。同じ検索広告でも、いつも使う設定だけで仕事が回っていると、触れていない機能や更新された考え方が残ります。

全員に共通する標準学習時間は、今回確認した公式案内にはありません。企業が支援するなら、受験75分だけを勤務時間に確保するのではなく、担当外の範囲を学び、分からなかった箇所を確認する時間まで含めて考える方が実態に合います。

試験対策としても、解答の暗記より、「この広告主の目的なら、なぜこの機能や設定を選ぶのか」を説明できるように学ぶ方が、仕事との接続が明確になります。

既に運用している人が、学習・認定に時間を使う意味

知識を得るだけなら、認定を取らず教材を学ぶ選択もある

知りたいことが特定の機能や配信方法なら、公式教材やヘルプで学ぶだけでも目的を満たせます。認定証を取得しなければ、その知識を使えないわけではありません。

例えば、自社では動画広告をまだ実施していないものの、代理店から提案を受けた責任者が、広告形式や配信目的を理解したい場合です。必要な教材を読んで、提案の内容と自社の目的を結びつけられれば、まず学習の価値は得られています。認定を取得するかどうかは、その後に判断できます。

一方、複数の分野を一通り確認する区切りが欲しい人や、社内外へ知識を示したい人には、試験と認定を利用する理由があります。企業のGoogle Partners要件に関わる場合も、教材を読むだけでは満たせない用途です。

目的 学習・認定の使い方
新しい機能や未経験の広告を理解したい 必要な教材・ヘルプから学ぶ。認定取得を必須にしなくてもよい
日常業務で触れない範囲を含めて知識を確認したい 対象分野の学習と理解度テストを区切りにする
顧客・応募先・社内へ分野別の知識を示したい 有効な認定証を提示する。担当経験や実績は別に説明する
所属代理店のGoogle Partners要件へ反映したい 対象資格、人数、アカウント連携、期限を会社として管理する

実務者の体験には「普段は調べて済ませている知識の曖昧さ」が表れている

広告運用会社FFCの2023年の公開記事では、執筆者が検索広告の認定更新を受けた経験を紹介しています。普段は事前学習をしてから受験していたものの、その年は先に試験を受け、合格はしたが知識の曖昧さが分かったと述べています。

背景として挙げられているのは、日常業務で考える機会の少ない内容や、必要なときにヘルプを調べて済ませている内容です。また、同記事は認定が日々の運用に直接役立っているかには留保を置きつつ、広告主へ一定の知識を持っていると説明する際には役立つとしています。[6]

この体験から読み取れるのは、認定の学習・受験を、普段の担当案件だけでは露出しない知識の確認に使えるということです。「普段は問題なく仕事をしている」と「対象分野を広く説明できる」の間にある差を、学び直しの対象として見つけています。

一人の実務者の自己評価であり、受験によって広告成果が改善したという検証ではありません。ただ、経験者にとっての追加価値を、「基礎を学べる」という初心者向けの説明だけで終えずに理解できる例です。

アナグラムの解説も、初心者の体系的な学習に加え、普段使わない分野や更新された機能を確認する用途を挙げています。こちらは運用会社による学習の提案であり、受講効果を測った調査ではありません。[7]

個人の認定と、会社のGoogle Partnerバッジは違う

Google Partnersは、顧客のGoogle広告を管理する代理店等に向けたプログラムです。個人が試験に合格すると認定資格を取得できますが、その一人の合格だけで会社がGoogle Partnerになるわけではありません。

個人の分野別認定資格と会社のGoogle Partnerバッジを区別し、対象5分野の個人資格を会社の人数・分野要件へ計上する関係図
図をタップ・クリックすると拡大できます。

図:個人の認定と会社のバッジの関係。バッジには資格以外の要件もあります。画像を押すと拡大できます。

Google Partnerの要件は、認定資格、実績、広告の利用金額の三つです。認定資格の要件では、対象となるアカウント担当者の50%以上が認定を取得することに加え、一定額以上の広告費を使った対象分野ごとに認定者が必要です。公式条件では、過去90日間に500米ドル以上のキャンペーン費用が発生した分野それぞれに1人以上を求めています。この人数要件で求められる認定取得者数は最大100人です。

この要件に数えられる分野は、検索、ディスプレイ、動画、ショッピング、アプリの五つです。「測定」等を学ぶ価値が低いという意味ではなく、プログラムの計上対象が異なるということです。公式案内は、プロフェッショナルの認定資格等もバッジの要件に数えないと明記しています。[1][8]

さらに、登録した管理用アカウント全体で、過去90日間の広告利用額が10,000米ドルを超えることや、最適化スコアが70%以上であること等の条件があります。最適化スコアはGoogle広告の設定・改善提案に関わる指標であり、「顧客の利益率70%」ではありません。資格取得、広告費、設定上の指標を、顧客の事業成果と混同しないことが大切です。

代理店が社員の認定を支援する場合は、知識の育成に加えて、この制度上の用途があります。発注する企業にとっては、個人の認定証と会社のバッジを読み分け、担当者の案件経験や説明内容も合わせて見る材料になります。

「入札を強めるとよい」と知っていても、どこまで変えるかは別の判断

クリック単価の設定と、問い合わせを獲得する採算はつながっている

ここからは、資格の知識と仕事の判断の関係を考えるための説明例です。実在企業の成果ではありません。

ある事業会社が、検索広告から問い合わせを増やしたいとします。担当者は、検索広告の学習を通じて、入札や広告の品質が広告の掲載に関わることを知っています。しかし、クリックを増やすために入札を強めると決める前には、いくらまで広告費を使えるかが問題になります。

クリック1回にかかる平均費用をCPC、クリックから問い合わせ等の成果に至る割合をCVR、成果1件にかかった広告費をCPAと呼びます。同じ対象・期間の集計であれば、次の関係があります。

CPA = 広告費 ÷ 成果件数 = 平均CPC ÷ CVR

例えば、平均CPCが500円、問い合わせに至るCVRが5%なら、問い合わせ1件当たりの広告費は10,000円です。同じ500円でもCVRが1%なら50,000円になります。これらは計算の説明用の仮数値で、適切な相場や合格ラインを示すものではありません。

そのため、「競合より上に出すため、入札単価を上げる」という設定知識だけでは、施策を決められません。問い合わせからどれほど商談や受注につながるか、受注後にどの程度の利益が残るか、追加で対応できる営業体制があるかによって、許容できる費用が変わります。

実際の運用では、配信対象を広げることでCVRや問い合わせの中身も変わります。上の式を使って現在の値から目安を考えることと、変更後にも同じ率が続くと保証することは別です。目標CPAの自動入札を使う場合も、機械が平均費用の目標に沿って入札を調整する一方、その目標額や成果の定義は広告主側が決めます。[9]

資格学習で入札戦略や測定の仕組みを理解する意味は、こうした判断のために、設定の選択肢と数字の意味を読めるようになることです。自社の原価、受注率、営業能力と照らし合わせる部分は、事業の情報を使って判断します。事業目標から広告側の目標へ落とす考え方は、事業目標からマーケティング目標を設定する方法でも整理しています。

表示回数が増えない原因が違えば、同じ「増額」でも答えは変わる

検索広告の表示回数、つまりインプレッションが少ない場合も、すぐに入札単価を上げればよいわけではありません。

Googleの公式説明では、広告ランクは入札だけでなく、広告やリンク先ページの品質、競合、検索時の状況等を含めて決まります。一方、「検索ボリュームが少ない」キーワードのステータスは入札単価とは関係がなく、入札を変えてもそのステータスは変わりません。[10][11]

検索広告の表示が少ないとき、予算制約・掲載機会の競争・検索量の不足で確認と判断が変わる説明図
図をタップ・クリックすると拡大できます。

図:表示回数の不足を、異なる原因から考える説明例。すべての原因・対処を網羅した診断表ではありません。画像を押すと拡大できます。

例えば、予算が配信を制限しているなら、追加で使える予算と、その費用で獲得する成果の採算が論点になります。掲載機会の競争なら、入札だけでなく広告やリンク先の内容も確認対象です。そもそもの検索量が少ないなら、探され方や対象範囲を考えることになります。

認定学習の製品知識があると、調べるべき画面や指標、機能の意味を理解しやすくなります。そのうえで、どの原因が自社に当てはまるかを調べ、他の説明がないかを確かめるのが運用の仕事です。

また、変更後の評価には、クリック数だけでなく、費用、問い合わせ数、問い合わせの質、商談・受注の状況も関わります。「クリックが増えたから成功」「CPAが一時的に上がったから即撤回」という単一指標の判断では、目標との関係を見失うことがあります。広告の変更と、サイト変更・季節要因・計測変更を区別しながら、継続や修正を考えます。

これは認定保有者が苦手だという話ではありません。認定で確認する知識を、案件固有の条件へ適用する過程が別にあるという整理です。経験豊富な保有者は両方を備えていることがありますが、認定証だけでは後者まで読み取れません。

企業は誰に取得を勧め、何を別に育てればよいか

新任担当者には、用語と仕組みを共通にする入口になる

新任担当者が、入札、予算、コンバージョン、広告の配信先を知らないまま実務に入ると、先輩の操作を覚えることが中心になりやすくなります。公式教材で仕組みを学べば、「なぜこの設定にしているのか」を説明するための共通知識を作れます。

その後に、実際の案件で「どの成果を増やしたいか」「この予算を置く理由は何か」「結果が違ったら何を調べるか」を先輩と確認すると、試験で学んだ内容と仕事がつながります。最初から単独で大きな広告予算を任せるかどうかは、認定の有無とは別に、実務での確認と社内の権限設計で判断することになります。

無料の資格でも、企業にとっての負担がゼロになるわけではありません。学習時間、質問を受ける人の時間、実務へ適用する際のレビュー時間がかかります。支援する目的を「合格者を増やす」だけにすると、受験のための学習で終わりやすくなります。制度設計の考え方は、資格補助制度の設計方法も参考になります。

経験者には、担当外の補完や更新確認が目的になる

既に担当案件を適切に運用でき、現在の仕様も追えている人なら、同じ分野の基礎教材を一通り学ぶ追加価値は小さいことがあります。その人にとっては、別の広告分野を知ることや、普段説明していない測定の仕組みを確かめる方が課題に合うかもしれません。

認定更新を行う場合も、合格だけで終えず、「以前の理解と違った点」「今の案件では使っていない選択肢」「現在の設定を続ける理由」を簡潔に共有すると、学習内容をチームの検討材料にできます。すべての更新で運用を変える必要はなく、今の設定を維持する理由が明確になる場合もあります。

ただし、実務上の課題が広告文の企画、顧客理解、営業との連携などにあるなら、認定試験を追加で受けるだけでは不足します。製品知識の穴なのか、案件の分析や関係者との調整に課題があるのかを分けることで、別の教育や支援も選びやすくなります。

採用・配置・外注先評価では、分野と有効期限に経験を重ねて見る

履歴書や職務経歴書へは、有効な認定資格を記載できます。その際は、単に「Google認定」とするより、認定の分野と取得・更新時期が分かると、読む側が判断しやすくなります。Googleの公式案内も、認定を取得していると公言できるのは本人が合格し、有効期限内である場合としています。[1]

採用や配置の場面では、資格名の確認に加えて、担当した案件で何を判断したかを聞くと、知識と経験を分けて理解できます。例えば「CPAが悪化したとき、どの原因を調べ、何を変更し、何を変更しなかったか」という説明です。結果の数字だけでなく、前提、本人の担当範囲、判断の理由が分かると、任せる仕事との接点が見えます。

外注先の評価でも同様です。会社のGoogle Partnerバッジや担当者の認定は参考になりますが、自社が求める業界・商品・目的の経験や、測定・報告の内容まで代わりに説明してくれるものではありません。問い合わせ獲得を任せる場合には、広告側の件数と営業側の商談・受注をどのように結びつけるかも論点になります。この関係は、リードの質と受注・失注理由を分析する方法で詳しく扱っています。

発注側の責任者自身が認定を取るかは、別の選択です。提案を理解することが目的なら、関係する公式教材を学び、担当者の説明を具体的に聞けるようになるだけでも意味があります。認定証を揃えることを先に決めるより、誰にどの判断を担ってもらいたいかから学習範囲を選ぶ方が、支援の目的が明確になります。

まとめ:製品知識を学ぶことと、認定を使う目的を分けて考える

Google広告認定資格は、無料の公式教材と試験を通じて、Google広告の知識を分野別に学び、確認できる資格です。日本語で学習・受験でき、認定を維持する場合は1年ごとに再合格が必要になります。

初心者には広告の仕組みを理解する入口、経験者には担当領域の偏りや知識の更新を確認する機会になります。認定証による対外説明や、所属代理店のGoogle Partners要件という用途もあります。一方、知識を得ることだけが目的なら、必要な教材を学ぶ選択もできます。

企業が考えたいのは、取得を一律に勧めることより、製品知識を補うのか、知識を外へ示すのか、実務判断を育てたいのかを分けることです。入札や測定の仕組みを理解し、それを自社の採算・顧客・営業体制へ結びつける学習まで用意できると、認定を仕事の中でどのように使うかが見えてきます。

参考資料

制度・公式案内の確認:2026年10月28日。体験記事は各掲載時点の経験・見解として参照しています。

  1. Google 広告の認定資格について(Google):個人認定、試験共通条件、言語、有効期間、認定表記、Partner対象分野。
  2. 広告運用ディレクター募集(NOBU):仕事内容と歓迎資格・経験の区別。
  3. Google 広告トレーニング(Skillshop):無料学習、主要分野、学ぶ内容。
  4. Google Ads Certifications 公開カタログ(Skillshop):提供コースの確認先。言語や提供版により表示が異なる。
  5. Skillshop Google Ads/GMP/GA に関するよくある質問(Google):無料利用、再受験、アカウント・認定の扱い。
  6. Google広告認定資格を取得するメリットとは?(FFC、2023年7月3日):更新受験で気づいた知識の曖昧さと、対外説明に関する実務者の体験。
  7. Google 広告の認定資格とは?理解度テストの概要から学習方法まで(アナグラム、2026年2月11日更新):学習・知識確認の用途に関する運用会社の見解。掲載試験条件は現行公式案内と別に扱う。
  8. Google Partner または Premier Partner のステータスを得る方法(Google):認定資格・実績・利用金額の要件。
  9. 「目標アクション単価」入札戦略について(Google):自動入札、平均目標と個別の実績の違い。
  10. 広告ランクについて(Google):掲載判断に関わる入札・品質等の要素。
  11. 検索ボリュームが少ない:定義(Google):検索量の少ないキーワードの状態と入札との関係。

本記事の文章・表・図解・グラフは、Skill Business Architecture Labが独自に編集・作成しています。引用・紹介する場合は、引用箇所が分かる形で、記事名・サイト名・記事URLをご記載ください。

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